「ワクチンによって魂が破壊される」とシュタイナーは本当に言ったのか?
近年の流行り病のあたりから、SNSやブログ・YouTubeなどで
「ワクチンによって魂が破壊される」
「魂が消滅する」
とルドルフ・シュタイナーが語っていたという情報が広まり、一部で話題になりました。
しかし実際に調べてみたところ、シュタイナーはそのような発言をしていないというのが私の結論です。
情報の出どころは?
火付け役となったと思われる某ブログ(日本)で出典とされているのは、シュタイナーの講義録
『The Fall of the Spirits of Darkness(闇の精霊の堕落)』
の中の一節です。
以下のリンク先のアーカイブサイトに、その英語訳された講義内容が掲載されています:
👉 https://rsarchive.org/Lectures/GA177/English/RSP1993/19171028p01.html
こちらの文章をGoogle翻訳で確認しながら、実際に「ワクチンによって魂が破壊される」と言っているのかどうかを調べてみました。
実際の引用(英訳から)
以下は該当の講義から、ワクチンに関するシュタイナーの発言とされる部分の引用です。
『5. Changes in Humanity's Spiritual Make-up(人類の精神的構成の変化)』より引用
コンスタンチノープルでは精神は存在しないようにされました。魂は薬の助けを借りて存在しないようにされるでしょう。「健全な視点」に立つと、人々はできるだけ早く、できれば誕生してすぐに、生体に影響を与えるワクチンを発明し、人間の身体が魂や精神があるという考えさえ持ち得ないようにするでしょう。
『13. The Fallen Spirits' Influence in the World(堕落した霊の世界への影響)』より引用
闇の霊は、彼らが宿ることになる人間の宿主に、まだ非常に若いうちに人々の魂から精神性への傾向をすべて追い払うワクチンを見つけるよう促すだろうと私は言いました。そして、これは間接的に生体を通して起こります。今日、肉体はあれこれとワクチン接種されていますが、将来、子供たちは確実に製造できる物質でワクチン接種され、これによって免疫がつき、精神生活に関連する愚かな傾向を育まなくなります。もちろん、ここでの「愚かな」とは、物質主義者の目にはそうです。
シュタイナーの真意は?
ご覧の通り、「魂が破壊される」「魂が消滅する」とは明言されていません。
むしろ彼は、物質主義が人間の精神性を抑圧する手段としてワクチンが利用される可能性について警鐘を鳴らしているようです。
つまり、シュタイナーが危惧していたのは「ワクチン=魂を消すもの」ではなく、
物質中心の社会によって、人間が精神性に気づかなくなってしまうことなのではないかと思われます。
誤情報だろうと私は思っていたのですが、シュタイナーを読んでいる者として、いったいどこからどうなってこんな情報が広まったのか気になっていました。
翻訳したものは斜め読みしかしていないので、また改めて熟読してみようと思います。